🧠整体・整骨院でできる
モーターコントロールの強化
「筋力」だけでは変わらない体の使い方
世界的なエビデンスから実践まで
横浜市中区元町にある整体/整骨院壱番館から
皆様に有益な健康情報をお届けしてまいります。
今回のテーマも引き続き
モーターコントロールです。
前回はこのモーターコントロールと
腰痛や膝痛との関連性などを
書いていきました。
今回のテーマはそのモーターコントロールを
整体や整骨院レベルでどうやって
強化していけるのかという点を
書いていこうと思います。
・筋力は弱くないのになぜか腰痛
・関節は動くのにしゃがむと膝が痛い
・施術を受けると楽でも仕事をすると戻る
・ストレッチで体は柔らかくなったが
動き方は変わらない
整体・整骨院で施術をしていると
このようなご意見をよく聞きます。
ここで重要になってくるのが、
前回のブログでも取り上げた
**「モーターコントロール」**
という考え方です。
簡単に言えば、
モーターコントロール=
脳・神経・筋肉・関節などを
協調させ目的に応じた動作を作る能力
つまり、
「筋肉があるか?」
だけではなく、
「その筋肉を必要なときに適切に使えるか?」
という問題です。
今回はさらに一段掘り下げて、
整体や整骨院では
モーターコントロールに対して
何ができるのか?
そして、
なぜ現在世界的にも
「施術を受けるだけ」ではなく、
運動や自己管理を組み合わせる
考え方が腰痛治療として
重視されているのか?
そのエビデンスも含めて解説していきます。
📖目次
1️⃣ モーターコントロールとは何か?
2️⃣ 筋力があっても「うまく動けない」
3️⃣ 痛みは体の使い方を変える
4️⃣ 重視される「動きを取り戻す」という考え方
5️⃣ 整体・整骨院では何を評価するのか?
6️⃣ モーターコントロールを強化する5段階
7️⃣ 腰・膝・肩で考えるモーターコントロール
8️⃣ 「正しいフォーム」にこだわりすぎない
9️⃣ なぜ施術だけでは足りない場合があるのか?
🔟 施術→運動→トレーニングという考え方
1️⃣ モーターコントロールとは何か?
「モーター」という言葉から、
「筋肉を強く動かす能力」
のように感じるかもしれません。
しかし、少し違います。
人間が動くためには、
脳 → 神経 → 筋肉 → 関節
という複数のシステムが
連携する必要があります。
さらに実際の動作では、
視覚、平衡感覚、足裏からの感覚、
関節の位置感覚など、さまざまな
情報を利用しています。
例えば階段を上るとき。
私たちは毎回、
「股関節をこれくらい曲げて」
「次に大腿四頭筋をこれくらい収縮させて」
「足首をこの角度にして……」
などと考えていません。
それでも自然に階段を上れます。
脳や神経系が身体から
得られる情報を処理しながら、
必要な筋活動を調整しているからです。
つまりモーターコントロールとは、
単純な筋力ではなく「体をまとめて使う能力」
と考えると分かりやすいでしょう。
2️⃣ 筋力があっても
「うまく動けない」こともある
ここが非常に重要です。
筋力があることと、
その筋力を適切に使えることは
同じではありません。
例えばスクワットを考えてみましょう。
十分な脚力がある人でも、
✅ 膝が大きく内側へ入る
✅ 足部が必要以上につぶれる
✅ 股関節ではなく腰ばかり動く
✅ 左右どちらかに荷重が偏る
✅ 必要以上に全身を固めてしまう
といった動作が出ることがあります。
その人に、
脚が弱いからもっとスクワットをしましょう
と指導するだけで本当に十分でしょうか?
場合によっては、
今までの動作パターンを、
さらに強く反復してしまう
可能性もあります。
だから必要なのは、
「どこの筋肉を鍛えるか?」
だけではありません。
どの筋肉を、どのタイミングで、
どの程度使い、他の関節と
どう協調させるのか?
ここまで考えるのが
モーターコントロールです。
🦴「動く」と「使える」は違う
例えば股関節が十分に
曲がる人がいたとします。
ベッド上で検査すると
可動域は問題ありません。
ところが立った状態で前屈すると、
股関節ではなく腰ばかり曲げてしまう。
こうしたことがあります。
つまり、
関節としては動くのに、
動作の中では十分に使えていない
ということです。
反対に、
股関節そのものが硬いために
腰が代わりに動いている場合もあります。
見た目は似ています。
しかし原因は違います。
前者であれば
モーターコントロールの再学習が
重要になる可能性があります。
後者であれば、
まず股関節の可動性を
改善する必要があるかもしれません。
だからこそ、
「動きが悪い=筋力不足」
と単純化してはいけないのです。
3️⃣ 痛みは体の使い方を変える
もう一つ重要なのが、
「痛み」と「動き」の関係です。
人間の体は痛みを感じると、
その場所を守ろうとします。
これは本来、正常な防御反応です。
例えば腰が痛ければ、
✅ 腰周囲を固める
✅ 動作速度を落とす
✅ 歩幅を小さくする
✅ 股関節の動きを減らす
✅ 呼吸が浅くなる
などの変化が起こることがあります。
急性期には、
こうした反応が役立つ場合があります。
問題は、
痛みが軽減した後にも
「守る動き」が残るケースがある
ということです。
痛い
↓
動きを変える
↓
その動作を繰り返す
↓
その動きが習慣化する
という流れです。
そのため慢性的な痛みでは、
今どこが痛いのか?
だけではなく痛みを経験した結果、
どんな動き方になっているのか?
まで見る必要があります。
4️⃣ 🌍世界で重視される
「動きを取り戻す」という考え方
モーターコントロールは、
単なるトレーニング業界の
流行ではありません。
特に腰痛をはじめとした
筋骨格系のリハビリテーションでは、
受け身の治療だけでなく、
教育・運動・自己管理を含めて
身体機能を取り戻していく
という方向性が世界的に
重視されつつあります。
🌎WHOも慢性腰痛に「運動」を推奨
WHO(世界保健機関)は
2023年、慢性一次性腰痛に
対するガイドラインを公表しました。
WHOによると、
2020年には世界で
約6億1,900万人が腰痛を抱えており、
2050年には約8億4,300万人まで
増えると予測されています。
腰痛は世界的に見ても、
生活機能や健康寿命に
大きな影響を与える問題なのです。
WHOは慢性一次性腰痛に対して、
✅ 教育・セルフケア
✅ 構造化された運動療法
✅ 一部の徒手療法
✅ 必要に応じた心理的アプローチ
などを、その人の状態に
合わせて組み合わせることを推奨しています。
そして構造化された運動療法には、
筋力トレーニング、有酸素運動、
ストレッチ、ヨガ、ピラティスなどと並んで、
モーターコントロール運動も含まれています。
ここで重要なのは、決してWHOが
「モーターコントロールだけをやりましょう」
と言っているわけではないという点です。
患者さん自身が体を動かし、
身体機能を取り戻していく
能動的なアプローチ
が重視されていると考えた方が正確です。
📚モーターコントロール運動には
エビデンスがあるのか?
世界的に知られる
Cochrane(コクラン)の
システマティックレビューでは、
慢性非特異的腰痛に対する
モーターコントロール運動について、
29の研究・対象2,431人
としてレビューされています。
その結果、
何もしない、
あるいは最小限の介入と比較すると、
モーターコントロール運動によって
痛みや身体機能が改善する
ことが示されました。
ただし、
ここには重要なポイントがあります。
他の運動療法と比較して、
モーターコントロール運動だけが
圧倒的に優れているわけではありません。
❌ モーターコントロールこそ唯一の正解
ではなく、
⭕ モーターコントロールは
有効な運動療法の選択肢の一つ
という理解が適切です。
🔬近年の研究でも検討されている
その後の
システマティックレビューや
メタ解析でも、慢性非特異的腰痛に
対するモーターコントロール運動が
検討されています。
18研究・1,356人を対象としたレビューでも、
✅ 疼痛
✅ 身体機能・障害度
などへの改善効果が検討され、
一部では一般的な運動と
比較した有効性も報告されています。
しかし、
研究ごとに対象者や運動方法、
期間などが異なります。
腰痛や体の不調があるなら
全員モーターコントロール運動をすればいい
という単純な話ではありません。
5️⃣ 整体・整骨院では
何を評価するのか?
では、
実際では何を見ればいいのでしょうか?
例えばスクワットで
膝が内側に入る人がいたとします。
すぐに、
「お尻の筋肉が弱いですね」
と決めつけることはできません。
考えられるものだけでも、
✅ 股関節の可動性
✅ 足関節の背屈
✅ 足部の支持能力
✅ 臀筋群の筋力
✅ 体幹のコントロール
✅ バランス能力
✅ 痛みに対する防御反応
✅ 今までの動作習慣
などがあります。
つまり評価では、
「何が起きているか?」
だけでなく、
「なぜ起きているか?」
を考えます。
可動域の問題なのか?
筋力なのか?
協調性なのか?
痛みに対する防御なのか?
単なる癖なのか?
ここを切り分けることが大切です。
6️⃣ モーターコントロールを
強化する5段階
では、
実際にどのように
強化していくのでしょうか?
分かりやすく5段階に分けてみましょう。
① 自分の状態を「感じる」
最初は自分の体が
どうなっているのかを認識します。
「右側に体重が偏っていますよ」
と言われて、
「え?そうなんですか?」
という方は珍しくありません。
本人が認識していなければ、
修正することも難しくなります。
鏡を見る。
施術者が触れる。
声かけをする。
床からの感覚を確認する。
こうした情報を利用して、
自分の体の位置を認識する
ところから始めます。
② 動きやすいポジションを作る
次に、
適切な動作を行いやすい位置
を作ります。
例えばスクワットなら、
✅ 足幅
✅ 足裏の接地
✅ 膝の方向
✅ 骨盤の位置
✅ 体幹の位置
などを調整します。
最初から重い負荷を
持つ必要はありません。
まず、
「この位置なら動きやすい」
という感覚を作ります。
③ ゆっくり・小さく・正確に動く
新しい動きを覚える段階では、
ゆっくり・小さく・正確に
動かす方法が有効な場合があります。
速度が上がると、
それまでの動作習慣が
出やすくなるからです。
最初は、
意識すればできる
という状態で構いません。
そこから反復します。
④ 負荷を加える
動作が安定したら、
少しずつ負荷を加えます。
自重
↓
軽い抵抗
↓
マシン
↓
外部負荷
↓
より複雑な動作
というように段階を上げていきます。
ここで初めて、
モーターコントロール+筋力
になっていきます。
⑤ 「考えなくてもできる」
ここが最終目標です。
日常生活で毎回、
「膝の方向は……」
「骨盤の傾斜は……」
「足裏の着き方は……」
と考えながら歩くことはできません。
反復することで、
意識しなくても必要な動作を
選択できる状態を目指します。
これが「運動学習」という考え方です。
7️⃣ 腰・膝・肩で考える
モーターコントロール
🟠腰痛の場合
例えば床の物を持ち上げるとき、
股関節をほとんど使わず、
腰を大きく曲げる人がいます。
この場合、
「腰が硬いからストレッチ」
だけでは不十分かもしれません。
必要に応じて、
壁にお尻を近づける
↓
股関節を後ろへ引く
↓
ヒップヒンジを覚える
↓
自重で反復する
↓
軽い負荷を加える
↓
実際に物を持ち上げる
と段階を進めます。
ただし、
「腰を曲げてはいけない」
という意味ではありません。
腰椎も当然動く必要があります。
問題なのは、
本来ほかの関節と分担できる動作まで、
腰だけで処理してしまうケースです。
🟠膝痛の場合
膝が痛いからといって、
「大腿四頭筋を鍛えればいい」
とも限りません。
足部
↓
足関節
↓
膝関節
↓
股関節
↓
骨盤
↓
体幹
は互いに影響します。
例えば足首の動きが制限されれば、
しゃがみ動作の戦略が変化します。
股関節をうまく使えなければ、
膝周囲への負荷配分が変化する
可能性があります。
つまり、
「痛い場所」と「改善すべき場所」
これらが同じとは限らないのです。
🟠肩・首の場合
腕を上げる動作も、
肩関節だけで行っている
わけではありません。
上腕骨
+
肩甲骨
+
鎖骨
+
胸郭
+
胸椎
などが協調しています。
ところが、この連動が崩れると、
首や肩周囲の筋肉が必要以上に
働くことがあります。
この場合も、
肩を揉むだけではなく、
肩甲骨・上腕骨・胸郭などを
協調させて動かす練習
が必要になることがあります。
8️⃣ ⚠️「正しいフォーム」に
こだわりすぎない
モーターコントロールを語るうえで、
ここは非常に重要です。
モーターコントロールという言葉から、
「正しい動きを体に覚え込ませる」
と考えがちです。
しかし、
人間に唯一絶対の
「正しい動き」があるわけではありません。
骨格、筋力、柔軟性、年齢、
仕事内容、スポーツ歴などによって、
動き方には個人差があります。
多少膝が内側へ入ったからといって、
それだけで必ず痛みが
出るわけでもありません。
腰が曲がったからといって、
それだけで腰痛になるわけでもありません。
だから目指すのは、
教科書通りの完璧なフォーム
ではありません。
重要なのは、
その人が必要な動作を、
無理なく、繰り返し行えること。
さらに言えば、
一つの動作パターンしか使えない体より、
状況に応じて複数の動作戦略を
選択できる体の方が重要です。
腰を曲げる。
股関節を使う。
膝を使う。
体幹を固める。
力を抜く。
状況によって使い分ける。
これもモーターコントロール能力の一部です。
9️⃣ なぜ施術だけでは
足りない場合があるのか?
施術には、
✅ 痛みを軽減する
✅ 筋緊張を変化させる
✅ 関節を動かしやすくする
✅ 動作への不安を減らす
などに役立つ場面も多々あります。
しかし、
「動けるようになった」
=
「その動きを使えるようになった」
ではありません。
例えば施術後、
股関節が以前より動くように
なったとします。
ところが床の物を拾うとき、
相変わらず股関節を使わず
腰だけを大きく曲げている。
これでは、
獲得した可動性を実際の
動作で利用できていない
ということになります。
だからこそ、
施術
↓
動作確認
↓
運動
までつなげる意味があります。
🔟 施術→運動→トレーニング
という考え方
整骨院/整体 壱番館では、
施術と運動をまったく別のものとして
考えるのではなく一つの流れとして
考えることを大切にしています。
👐施術
まず必要に応じて、
「動きやすい状態」
を作る。
↓
🚶運動
その状態で、
「実際に使える状態」
を作る。
↓
🏋️トレーニング
さらに負荷を加え、
「繰り返しても崩れにくい状態」
を作る。
この3つは似ていますが、
目的が違います。
施術=整える
運動=使い方を学ぶ
トレーニング=その能力を高める
という考え方です。
🧠モーターコントロールは
「筋肉」ではなく「動作」を見る
一般的な筋力トレーニングでは、
「大腿四頭筋を鍛える」
「臀筋を鍛える」
「腹筋を鍛える」
と筋肉単位で考えることがあります。
もちろん筋力は重要です。
しかし人間は、
日常生活で一つの筋肉だけを
使っているわけではありません。
立つ。
歩く。
しゃがむ。
階段を上る。
物を持つ。
振り向く。
すべて、
複数の筋肉・関節・感覚・神経系が
協調して作っている動作です。
だからこそ、
「どこの筋肉を鍛えるか?」
から「その体をどう使うか?」へ。
この視点を持つことが重要なのです。
🌱まとめ
「痛みを取る」から
「自分の体を使える」へ
モーターコントロールという
考え方を取り入れると、
「痛い場所だけを見る」
という視点から
一段広げることができます。
大切なのは、
なぜその場所に負担が集中しているのか?
まで考えることです。
そのためには、
✅ 関節は必要な範囲まで動いているか
✅ 必要な筋力はあるか
✅ 左右差は大きくないか
✅ 必要なタイミングで筋肉を使えているか
✅ 他の関節で過剰に代償していないか
✅ 痛みによる防御的な動作が残っていないか
✅ 一つの動き方に固まりすぎていないか
といったことを確認します。
そして、
動ける状態を作る
↓
新しい動きを経験する
↓
反復する
↓
負荷を加える
↓
日常生活でも自然に使えるようにする
という流れを作っていきます。
WHOをはじめとした
世界的な腰痛診療の方向性を見ても、
受け身の治療だけではなく、
教育・運動・自己管理を組み合わせて
身体機能を取り戻していく
考え方が重視されています。
ただし、
「モーターコントロールだけが
最も優れた治療法」という
意味ではありません。
その人に必要な運動を選択する。
これが最も重要です。
整体/整骨院壱番館では、
施術で「動ける体」を作り、
運動で「使える体」にし、
必要に応じてトレーニングで
「負荷にも対応できる体」へ。
単に痛みを軽減することだけではなく、
「自分の体を自分でコントロールできる状態」
まで考えることを大切にしています。
初めての方へ
横浜市中区も元町にある
整体/整骨院壱番館では
•無理な回数券の提案は行いません
•痛みや違和感の原因を丁寧に説明します
•必要な場合は医療機関の受診もご提案します
あなたの身体の状態に合わせて、
今できる最善の選択を一緒に考えていきます。
ご予約・お問い合わせ方法
•📞 お電話でのご予約
•💬 LINEから24時間受付
•🌐 ホームページ予約フォーム
※ 体の痛みに関するご相談は、
事前にその旨をお伝えいただくと
スムーズです。
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〒231-0861
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どこに行っても改善しない
お身体のお悩みなら
☎045-308-8838
整体院 整骨院 壱番館
📚参考文献・エビデンス
✅ World Health Organization(WHO), 2023
WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings.
慢性一次性腰痛に対して、教育、構造化された運動療法、一部の徒手療法、心理的介入などを患者さんに合わせて組み合わせることを推奨しています。
✅ Saragiotto BT, et al. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2016
Motor control exercise for chronic non-specific low-back pain.
29研究・2,431人を検討。モーターコントロール運動は最小限の介入などと比較して疼痛や身体機能の改善に有効である一方、他の運動療法より明確に優れているとは言えないと報告されています。
✅ WHOガイドライン作成に用いられた運動療法のシステマティックレビュー
慢性一次性腰痛に対する構造化された運動プログラムについて検討され、疼痛や身体機能への有効性が示されています。